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Y.S.Soebianto*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Angewandte Makromolekulare Chemie, (2484), p.159 - 168, 1987/00
被引用回数:8 パーセンタイル:45.51(Polymer Science)低結晶化度のポリ(4-メチルペンテン-1)(TPX)へアクリル酸(AAC)に比べ分子鎖の長い2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とメトキシテトラエチレングリコールメタクリレート(M4G)の前照射法によるグラフト重合を行った。グラフト速度は、分子鎖が短いほど速かった(AACHEMAM4G)。照射条件による重合速度の影響では、真空中線照射空気中電子線照射空気中線照射の順であった。これはラジカル濃度に対応し、ラジカル濃度が高いほどグラフト速度は大きかった。グラフトポリマーの含水率は、同じグラフト率で比較してもグラフトモノマーにより異なり、AACM4GHEMAの順であった。AACの場合は、分子鎖が短いためにフィルムの中まで十分拡散し、均一にグラフト重合が起こるために含水率が高いものと考えられる。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
Polym.J., 11(10), p.775 - 779, 1979/00
被引用回数:11制癌剤である5-FUの包括は吸着剤の存在下,-78Cで2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のようなガラス化性モノマーの放射線重合によって行なった。マトリックスからの5-FUの溶出は種々の吸着剤の添加によって抑制された。そして溶出速度は吸着剤濃度の増加と共に減少した。一方、吸着剤を含むマトリックスからの5-FUの溶出挙動はHiguchi式を用いて動力学的に解析した。また電子顕微鏡による観察から、吸着剤はマトリックス中に均一分布していることが分った。
吉井 文男; 大久保 浩; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.389 - 400, 1978/01
ガラス化性モノマーが低温で重合性に富み重合時の容積収縮が少ない特徴を利用して、短時間で歪のない有機ガラス材料を作る新しいキャスティングプロセスの開発を行なっているが、本報ではキャスティングで作成する二種類の光学歪のうち、熱対流型歪と呼ばれる歪について、その制御条件の解析・確立を目的として、基礎的な知見を得ようとしたものである。 すなわち本報では、ヒドロキシエチルメタクリレート・グリシジルメタクリレートの放射線キャスティングで作成する熱対流型歪について、熱電対による追跡を手段として、温度分布ならびにその時間的変化をしらべ、重合条件、サンプルスケールおよび結果である歪の有無と対比させつつ、歪の生因を解明しようとしたものである。ガラス化性モノマーを用いる低温キャスティングで、従来の觸媒法キャスティングに比べ、はるかに歪が生成しにくいのは、低温であることと高粘性であることのため、重合熱に起因する対流が起りにくいためと推論された。
嘉悦 勲; 吉井 文男; 渡辺 祐平
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 16(10), p.2645 - 2650, 1978/00
ガラス化性モノマーを低温で重合させると、重合速度の温度依存性に特異な極大と極小が現れる特徴がある。これは実用上も重要な性質であり、これまでにこの温度依存性に影響する因子について研究を重ねてきたが、本報では、圧力を加えることによってどのような変化が現れるかについて検討した。その結果5000気圧以下の加圧下でも、モノマー系のガラス転移点が上昇し、それとともに重合速度が著しく増大することが判った。重合速度の温度依存性に極大と極小が現れる点は加圧下でも認められたが、極大の温度は、加圧下でのガラス転移点の上昇に伴って上昇し相対的に高温側に移動した。モノマーとしてはHEMAとGMAを用いた。
嘉悦 勲; 吉井 文男; 大久保 浩; 伊藤 彰彦
J.Appl.Polym.Sci., (26), p.165 - 174, 1975/00
ガラス化性モノマーであるヒドロキシエチルメタクリレートを用いて、低温過冷却状態における放射線注形重合を研究し、重合条件と重合体の光学歪の生成との関係を解明した。注形重合物の光学歪は、低温で重合されるほど入りにくくなり、低温重合においては室温重合に比べて、より厚みの大きい試料を、より大きい重合速度で重合させても、歪のない製品が得られるという特徴が明らかになった。歪の生成機構についても検討し、モノマーの粘度が低い室温での重合や、粘度が高くても試料の厚みが著しく大きくて試料内に重合熱による顕著な温度分布を生じる場合などにおいては、試料内の分子運動の流れが重合により凍結されることに起因するうずまき型あるいは放射型の歪が生成することを認めた。この外パッキングなどの異物との接触界面に沿って生成する歪もあり、これは重合に伴う容積収縮に起因する歪と考えられる。